プロビオペットクリニック スタッフブログ

10月, 2015年

猫のワクチンについて

2015-10-18

猫を守るのはあなたです!

愛猫が末長く元気に一生を送るためにあなたができる最善のこととして、猫のワクチン接種をきちんと受けさせることがあげられます。子猫は、生後数週間は、母猫の母乳から抗体をもらうことによって病気に対する免疫力を得ます。しかしその期間が過ぎてしまったら、獣医師のアドバイスをもとに、猫を病気から守るのは飼い主様です。

 

ワクチンはどのように働くのでしょうか?
ワクチンには、ごく微量の、弱毒化された、あるいは“死滅した”ウイルス、細菌、その他病気の原因となる微生物が含まれています。ワクチンを投与することで猫の免疫機能が刺激され、体を病気から守るための防御細胞や蛋白質(抗体)が作られます。

ワクチン接種はいつ行えばよいでしょうか?                                 一般的に、子猫の場合は母猫の母乳から得る免疫力は8~9週間経過すると低下してきます。この頃が最初のワクチン接種をする時期です。通常は3~4週間間隔で、2、3回注射をします。その後は一生を通じて、定期的にワクチン接種を行います。

成猫の場合、体調の良い時に接種してあげれば良いでしょう。

もちろん、これはあくまでも目安ですので、あなたの愛猫に適した具体的なワクチン接種スケジュールは、来院された時に獣医師と相談して決めましょう。

どのワクチンを接種すればよいでしょうか?
当院が接種すべきだと考えているワクチンは、最も一般的で感染力の強い病気、また、深刻な症状を引き起こすような病気を予防するものです。そのような病気として、猫汎白血球減少症、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症などがあげられます。それぞれの猫の遺伝形質や、生活環境、ライフスタイルなどから、どの病気のリスクが高いかを相談しながらどのワクチンを接種するか決めていきましょう。

どんな病気があるのですか?

*猫ウイルス性鼻気管炎
人間の一般的な風邪と同様、このウイルスは上部気道に感染を起こし、猫から猫へ伝染します。感染力が強いので、愛猫が他の猫と接触する機会がある場合は、ワクチン接種を必ず受けてください。症状は、微熱、食欲不振、くしゃみ、めやに、鼻水、咳などです。特に子猫がかかりやすい病気ですが、有効な治療法が限られているため、子猫に限らず免疫のないすべての猫にとって危険な病気です。回復後も、生涯、ウイルスを持ち続けることになります。
*猫カリシウイルス感染症
このウイルスも、猫の上部気道に感染を起こします。ウイルスは至るところに存在し、強い感染力を持っています。症状は、発熱、舌の水疱や潰瘍、肺炎で、症状の重さはウイルス株の種類によって軽い場合から重い場合まであります。この病気の治療も容易ではありません。いったんこの病気にかかった猫は、回復後も、他の猫への感染力を持ち続け、くしゃみやめやにが慢性化することもあります。ですから、ワクチン接種をすることが極めて重要です。
*猫汎白血球減少症
猫伝染性腸炎とも呼ばれ、猫の体外で1年間も生き続けることのできる、非常に耐性の強いウイルスによって引き起こされる病気です。そのため、ほとんどの猫が一生のうち一度はこのウイルスにさらされます。免疫のない猫の感染率は90~100%と極めて高く、生命に関わる場合もあるので、必ずワクチン接種を受けてください。症状は、元気がなくなる、下痢、嘔吐、重い脱水症状、発熱です。治療は大変難しく、回復したとしても、一度感染した猫からワクチン接種をしていない他の猫に感染する可能性がありますが、幸い、ワクチンには大変高い予防効果が認められています。
*猫白血病ウイルス感染症
猫白血病ウイルスの感染は、白血病などの癌から、免疫システムの破壊がもたらす多様な二次感染まで、深刻な健康障害を引き起こします。最初にウイルスと接触してから何カ月間も、時には何年間も、何の症状も出ないことがありますが、その間もずっと他の猫への感染は広がっています。猫のFeLV感染の有無は、検査で調べられます。あなたの愛猫が未感染で、感染した猫と接触する可能性がある場合は、命に関わるこの病気に対するワクチン接種を強くお勧めします。

*猫免疫不全ウイルス感染症                                             猫免疫不全ウイルス感染症は感染した猫に深く噛まれたり、掻かれたりした場合に傷から感染し、免疫力が低下することによって様々な臓器の病気や慢性感染症を引き起こします。ワクチン接種を行うかどうかは、獣医師と相談し、病気のリスクとワクチンの効果とをよく比較検討して決めてください。

 

予防ができる病気は予防することが大切です。

わからないことがあれば気軽に当院へご相談ください。

プロビオペットクリニック 0557−51−3911