潜在精巣(陰睾)

2013年6月29日

潜在精巣は,精巣の下降が不完全で陰嚢内に納まってない状態のことをいい,正常な精子を産生することができません.

片側性の場合,陰嚢内に納まっている精巣では,正常な精子の産生がみられますが,遺伝的要因が考えられているため,繁殖に供するべきではありません.

さらに,将来的に腫瘍化する可能性が高いことがわかっているため,早期に摘出する必要があります.

今回は,両側鼠径部における潜在精巣の摘出手術を行った1例を紹介します.

 

【症例】

犬 トイ・プードル 未去勢雄 6歳齢

両側鼠径部に潜在精巣が認められました。(図1  黒矢印).

 

 

 

 

 

▲図1

去勢手術を行いました.通常の切開創から両側の睾丸を摘出しました。

摘出された精巣は、形・大きさは対称的であったが,両側とも正常より萎縮していました(図2).

 

 

 

 

 

▲図2