腹腔鏡を用いた避妊手術

2019年7月1日

近年、人の医療では腹腔鏡下での手術が一般的になっていますので、どこかで耳にしたことはあるのではないでしょうか?

プロビオペットクリニックでも低侵襲性手術の1つとして腹腔鏡を用いた手術を行っております。

腹腔鏡手術とはお腹に小さな穴を数カ所開けて専用の器具やカメラ(硬性鏡)を挿入し、映像をモニターで見ながら行う手術のことです。

腹腔鏡の一番のメリットはお腹の切開を最小限に抑えることができるため術後の痛みが少なく、体への負担が少ないことです。また、お腹をほとんど開けないので、感染等のリスクも減ります。硬性鏡により拡大視野が得られ、丁寧で安全な手術が可能となります。

人の医療での腹腔鏡手術は低侵襲性のメリットの高さにより、従来の開腹手術に変わる方法となっており、近年では動物に対しての低侵襲性医療も注目されるようになりました。

当院でも、痛みや体に負担の少ない動物に優しい治療(低侵襲性手術)である腹腔鏡手術を積極的に行なっています。

♢♦︎ 今回は腹腔鏡下避妊手術の流れについてご紹介いたします ♢♦︎♢

はじめに器具やカメラを挿入するためのトロッカーを設置します。

1つ目のトロッカーからお腹を膨らませ(気腹)、カメラを挿入し、腹腔内の確認をおこないます。

避妊手術の場合、トロッカーは2つ、2.7mmの鉗子(組織を把持する器具)をトロッカーは使わずダイレクトに挿入します。

カメラで腹腔内を確認しながら、を2つ目のトロッカーを設置して、お腹の一番上に2.7mmの鉗子を挿入します。

卵巣と子宮を確認した後、2つ目のトロッカーより血管を処理する機械を挿入し、卵巣堤策、動静脈を切断していきます。

     

最後に一番下の切開部から子宮を引き出し摘出します。

それぞれ小切開を縫合し、腹腔鏡手術終了となります。

下の写真のように開腹手術の避妊手術と比べると手術痕が小さいことがわかりますね。

     ↑ 腹腔鏡の切開創

     ↑ 開腹手術での切開創

腹腔鏡手術は切開創が小さいため、その分痛みも少ない手術方法です。痛みが少ないため、術後の体調の回復が速やかです。

腹腔鏡下での避妊手術をご検討している方は

お気軽に当院までお問い合わせください