消化器疾患
プロビオペットクリニックでは胃腸などの消化管だけでなく胆嚢や肝臓、膵臓
などの精査、治療を行なっています。消化器疾患は様々な症状が認められ、その鑑別診断が重要です。問診や身体検査に加え、必要に応じて血液検査や画像検査(レントゲン検査、超音波検査、CT検査など)、内視鏡検査を行います。
消化器疾患
DIGESTIVE DISORDER
消化器疾患とは胃、腸、膵臓、肝臓などの消化器系に関連する疾患のことです。犬猫では最も多く見られる病気です。
消化管内異物
犬や猫はおもちゃや木の実、タオルや釣り針など本当にさまざまな、食事ではないものを飲み込むことがあります。自力で排泄できない場合は手術や内視鏡による摘出が必要です。
胆嚢粘液嚢腫
胆のうの中にムチンという物質が蓄積し、通常はサラサラの胆汁がゼリーのように硬く固まってしまい、重症になると胆汁が流れなくなり、排泄が出来なくなり黄疸が起こります。
胆のう粘液嚢腫と診断がついた場合、多くは手術によって胆のうを切除しますが、体の状態や年齢などによっては点滴や注射などの内科治療を検討することもあります。
消化管腫瘍
胃や小腸や大腸にできる腫瘍です。進行すると徐々に食べたものが腸を通過できなくなるため、嘔吐、下痢、食欲不振から体重が落ち、消耗していってしまいます。
犬ではリンパ腫、腺癌、猫では肥満細胞腫やリンパ腫、腺癌の発生が多い傾向にあります。
肝臓腫瘍
肝臓にできる腫瘍です。良性、悪性さまざまな腫瘍がありますが、どちらの場合でも目立った症状がないことも多く、気付いた時には巨大な腫瘍になっていたということもあるため、気をつけなければならない病気です。また肝臓はお腹の中にできた他の臓器の腫瘍が転移しやすい場所でもあるため、注意が必要です。
慢性肝炎
犬では家族性(遺伝性)の慢性肝炎が多いと言われています。
ベドリントンテリアとウェストハイランドホワイトテリアでは、銅が肝臓にたまることで慢性の肝炎が高率に起こります。
ドーベルマンでは原因不明の慢性肝炎と肝硬変がみられ、アメリカンおよびイングリッシュコッカースパニエルでも原因不明の慢性肝炎が多い。
膵炎
犬猫の膵炎は、膵臓の炎症であり、消化酵素が膵臓内で活性化され、組織を攻撃する状態です。原因には高脂肪な食事、膵臓への外傷、感染、薬物などがあります。症状には嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛などがあります。診断には血液検査や超音波が用いられます。治療は絶食や輸液、消化酵素補充、症状管理などが含まれますが、重症の場合は入院治療が必要となります。
膵臓腫瘍
会陰ヘルニア
会陰ヘルニアは、肛門の周囲(会陰部)にある筋肉の隙間から、お腹の中の臓器や脂肪が飛び出てしまうため肛門の周囲が腫れる疾患です。
筋肉が薄くなる原因に男性ホルモンが関与しているため、未去勢の中高年のオスに多い疾患です。
肛門をはさんで両側性に発生することが多いですが、片側のみに発生する場合もあります。
排便困難や排尿困難などが主な症状です。
治療は手術で飛び出した臓器を元の場所に戻し、筋肉の隙間を塞ぐ治療となります。隙間を塞ぐ方法は症例の状態によって異なります。
去勢手術していない場合、同時に去勢手術を行います。