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大動脈弁狭窄症
AS:Aortic Stenosis
大動脈弁とは左心室から全身に血液を送るための血管(大動脈)にある弁があり、この弁が狭くなる状態を大動脈弁狭窄症と言います。ボクサー、ブルドッグ、ゴールデン・レトリバー、ドーベルマンなどの大型犬でよくみられます。
大動脈弁狭窄症は狭窄部位により弁下部、弁部、弁上部に分類され、犬では大動脈弁の左心室側に硬い繊維状の突起(繊維輪)が形成される弁下部狭窄が多くみられます。
多くは遺伝的な要因が関与してます。
狭窄が軽度の場合、無症状であることも多いですが、重度な場合は疲れやすい、運動を嫌がる、突然倒れる(失神)などがみられ、不整脈が生じると突然死の恐れもあります。
ゴールデンレトリバー 5歳 去勢オス
<一般身体検査>
<一般身体検査>
聴診にて左側心基底部にLevineⅢ/Ⅵの収縮期性雑音が聴取されました。
<レントゲン検査>
本症例は心拡大はありませんが、重症例では左側心臓の拡大が認められます。
<超音波検査>
治療
成長期に見つかることも多く、成長とともに狭窄部の流速が変化することがあります。
体の成長が落ち着くまではこまめに経過を見ていく必要があります。
★内科治療
軽度の場合は治療の必要がないこともあります。激しい運動は避け、定期検診を行なっていきます。
中〜重度のケースは、心臓の負担を軽減する薬や不整脈がある場合は抗不整脈薬を使用していきます。
このゴールデンちゃんは内科治療で順調にコントロールしています。
★外科治療
狭窄が重度なケースでは血管にカテーテルを通し、狭窄部を拡張させるインターベンション治療を行うことがあります。ただし、一度改善しても再び狭窄してしまうことも少なくありません。
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