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椎間板ヘルニアの治療の一環として行われる手術の一つで、切開せずに椎間板に細い針を刺し、その中にファイバーを挿入しレーザー照射を行う治療です。あらかじめ画像検査(CT /MRI)を行い、PLDDの適応かどうかを判断する必要があります。

椎間板ヘルニアにおけるPLDD

PLDD:Percutaneous Leaser Disc Decompression

PLDDは「経皮的レーザー椎間板減圧術」の略称であり、X線透視下で穿刺針を椎間板に挿入し、レーザーを照射することで椎間板の髄核を部分的に蒸発させ、椎間板内の圧力を減少させ、神経の圧迫を軽減し、症状を改善することを目的とした、非常に低侵襲な治療方法です。

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椎間板ヘルニアには一般的に ハンセンⅠ型とハンセンⅡ型の2つのタイプがあります。

●ハンセン Ⅰ 型
ハンセンⅠ型の椎間板ヘルニアは、椎間板の外側の繊維環を貫通した髄核の突出によって起こり、 突然の激しい痛みや神経症状(麻痺)を引き起こす可能性があります。

ダックスフンド、フレンチブルドッグ、ウェルシュコーギー、ビーグル、シーズー、コッカースパ二エル、ペキニーズなどは軟骨異栄養性犬種と呼ばれ、遺伝的に椎間板ヘルニアを起こす危険性が最も高い犬種で す。
これらの犬種は若齢時に椎間板が変性し、椎間板の機能が損なわれてしまいます。そして椎間板に無理な力が加わることにより繊維輪が破れ、髄核が飛び出し脊髄神経を圧迫します。

3〜6歳で症状を出すことが多いです。

椎間板は何箇所も存在するため、再発をするリスクがあります。手術時に他の椎間板ヘルニア好発部位に予防的にPLDDを行うことにより再発率をかなり抑えることができます。

●ハンセンⅡ型
ハンセンⅡ型の椎間板ヘルニアは、椎間板の周囲の繊維輪が弱くなり繊維輪が膨らみ神経を圧迫することにより症状が出る病態です。

通常は加齢による椎間板の劣化に関連しており、徐々に進行し、さまざまな犬種で発生します。

時には痛みや神経症状があまり明確ではない場合もありますが、椎間板の変形や神経圧迫が進行する可能性があります。また、複数箇所圧迫所見があることもあります。

ハンセンⅡ型の症例はPLDD適応となります。

治療の様子
症例

ミニチュア・ダックス オス

検査
椎間板ヘルニアにおけるPLDD

CT検査

椎間板ヘルニアにおけるPLDD

MRI検査

診断

椎間板ヘルニア(ハンセンⅡ型)

治療

経皮的レーザー椎間板減圧術

椎間板ヘルニアにおけるPLDD
椎間板ヘルニアにおけるPLDD
椎間板ヘルニアにおけるPLDD

Cアームというレントゲン透視装置を使用して椎間板内に穿刺針を挿入していきます。

CTおよびMRIの検査で脊髄神経の圧迫が認められた部位とその前後の椎間板5箇所にレザー照射を行いました。

一定のスピードでレーザーを照射していきます。
術後1ヶ月でかなり後ろ足の動きが良くなってきました。

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