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心膜切除
Pericardiectomy
犬の収縮性心膜炎は心膜に炎症が起こり、心臓の収縮を制限します。主な症状には呼吸困難、咳、虚脱などががあります。心臓超音波やレントゲンで診断され、治療は重度の場合は貯留した心嚢水を針を穿刺して除去するとともに抗炎症薬や利尿薬を使用します。心嚢水の貯留するスピードが速い場合やコントロールが困難な場合は心膜切除をを行い、心臓の圧迫を解除することで症状の軽減を目的に治療を行います。
早期発見と適切な治療が重要で、症状の管理と心臓機能の維持が目指されます。
一般的な症状
・呼吸困難
・呼吸促迫
・咳
・運動不耐
・失神、虚脱
検査・診断
・超音波検査:心嚢水の確認、その他異常がないか確認します。
・X線検査:肺や、心臓などの胸の異常がないか確認します。
・CT検査
治療
収縮性心膜炎の治療には、主に以下の方法が用いられます。
抗炎症薬や利尿薬を投与して炎症や浮腫を軽減し、心臓の負担を軽減します。
心膜穿刺は重症例で行われ、心嚢水の圧迫を解除することで心機能を改善させ症状の改善をはかります。
症状管理として酸素療法や適切な栄養療法が行われます。
また、根本的な原因に対する治療が行われます。心臓腫瘍に起因している場合もあり、その場合はその後の治療計画や予後が変わってきます。飼い主と獣医の協力が重要で、定期的なフォローアップと適切な治療計画の立案が大切です。
症例
柴犬 12歳
主訴
元気消失
画像検査
診断
収縮性心膜炎
治療
貯留した心嚢水を穿刺で除去していたが、除去する間隔が短くなってきたため、外科的に心膜切除を行いました。
胸腔鏡での切除では不完全だったため、一部だけ開胸し心膜を切除しました。
切除した心膜は非常に肥厚して硬くなっていました。
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