top of page
横隔膜ヘルニア
Diaphragmatic Hernia
犬猫の横隔膜ヘルニアは、腹腔と胸腔を仕切る横隔膜に穴や裂け目が生じ、内臓が胸腔に移動する疾患です。一般的には奇形や外傷が原因ですが、先天性や加齢によるものもあります。先天性は犬より猫で多く見られます。
後天性の場合は交通事故や高所からの落下などで起きることがほとんどです。症状は吐き気、呼吸困難、腹部膨張などであり、重症化すると致命的な場合もあります。診断にはX線、超音波、CTスキャンなどの画像診断が行われます。治療には手術的修復が一般的であり、早期の治療が重要です。
一般的な症状
・吐き気や嘔吐
・呼吸困難
・食欲不振
・疲労感
検査・診断
・レントゲン検査:X線検査により胸部への腹腔内臓器の移動の有無を確認します。
・超音波検査:胸部で肝臓や腸などが確認できれば横隔膜ヘルニアが強く疑われます。
・CT検査:上記の検査よりもより詳細な情報が得られます。
治療
・外科的治療:手術によるヘルニアの穴を閉じる手術を行います。
腹部の臓器が胸部へ入り込んでいる場合は注意深く臓器を元に戻します。
術後腹部の臓器によって膨らみきれていなかった肺が、スペースができたことにより急に広がることができるようになります。
この急激な変化の影響で、肺の中に水が溜まり呼吸困難になる(再拡張性肺水腫)ことがあるため、術後は注意して管理を行う必要があります。
症例
雑種猫 6ヶ月齢くらい メス
主訴
呼吸促迫
画像検査
診断
横隔膜ヘルニア
治療
外科的に破れた横隔膜を整復しました。
消化管を元の位置に戻して、欠損した横隔膜の縫合を行います。
bottom of page